ニコラス・ケイジのブレイクアウト

ニコラス・ケイジの「ブレイクアウト」という映画では、ニコラス・ケイジがダイアモンドディーラーを演じています。 原作者はダイアモンドディーラーの事を良く調べていますが、変なところがあるので説明することにします。 ちなみにニコラス・ケイジの映画が好きで、例外なく全部見ています。ニックの私生活が凄いことになってますけど、フェラーリの現行車を全部購入しつつ、なおかつリムジンを借りてお金を支払わないという変な生活スタイルは、魅力があります。ちなみに、ニックの家に強盗が入って、金庫のダイアモンドについて強盗団に説明をするシーンなんですが、

ダイアモンドディーラーは、ダイアモンドをRockとは言わない。

ダイアモンドはRock(岩)ではない。Rockとは、結晶形やを持たずまたさまざまな物の混合物に対し、ダイアモンドは 結晶(Crystal) で、結晶形があります。ディーラーの中で、ダイヤのことをRockといって表現している人は見た事が無いです。 まぁ、強いていうならばストーン(Stone)ですね。ほら、宝石のことを、Gem Stones と云いますから。

アメリカ国内に流通している全ての石はGIAの鑑定書が付いている。

これも違います。 GIAの他に、AGS, EGL などさまざまな団体の鑑定書があります。 まだ鑑定書を付けていない石もあるはずです。

レーザーインスクリプションで盗品だとわかる。

たぶん盗品だと保険会社がレーザーのインスクリプ ションの番号を控えてあるということだけだと思います。保険会社が全ての盗品の番号を、アメリカ業者の全部に配るのは無理ですが、大手の小売り チェーンなどでは、買い取りの時にチェックしているかもしれません。

レーザーインスクリプションで、重量、シェイプ、グレード、蛍光、所有者がわかる。

最初の4つは正解です。その他寸法もわかると思いますが、最後は嘘です。所有者は、判明しません。最初に鑑定を依頼した人の名前は判ると思います。

レーザーインスクリプションを取るためには、違うカットにしなければならない。

これも嘘です。 ちがうカット(シェイプ)にしたら大幅に目方が減ってしまいます。違うカットとは、ラウンドブリリアントからペアーシェイプにすることを意味します。 レーザーインスクリプションは、ガードルの部分に掘られているので ガードルのその部分を削れば良いだけです。 以前は、バフで簡単に落ちたのですが、最近、レーザーが深くなって、ガードルをかなり削り込まないと 取れなくなりました。したがってラウンドカットの場合、ほぼ全部の作業をやりなおすことになり、ほぼ10%前後のウェイトロスになります。問題なのが、フローレス(無傷)の石にレーザーインスクリプションで穴を開ければ、当然、その石は無傷ではないですが、フローレスと表示されていることです。 これは変ですよ。そんな理由から、何も傷がなくてもレーザーインスクリプションがあればオートマチックにVVS2にすべきです。 私は、LIのことを良く思ってません。

それと、アメリカのディーラーで自宅にダイアモンドを大量に保管してい人々には会ったことがないです。 事務所に金庫とセキュリティシステムを用意してあるか、または週末などに銀行の貸金庫か、プライベートの金庫室を借りて保管している人が殆どです。 だから自宅は安全なんですよ。
 

なにも映画なんだからムキにならんくてもと言われそうですが、あくまでリアリティがないと映画は面白くないんですよね。ニコラス・ケイジは、メソッドアクターではないですが、以前はとっても良い俳優だったんです。