金庫の話

 以前に書いたニコラス・ケイジの映画のレビューを読み直していたら、金庫の事を思い出しました。 宝飾店やダイアモンドディラーのオフィスなどで金庫をたまに見ることがありますが、今まで見た日本製の金庫は全て造りが手ぬるいです。もちろん耐火金庫としては、「数千度の熱にも耐えることができます。」とありますが、学生が、ピストルを持ち麻薬を校内で売買する所もあるアメリカとは、セキュリティの認識が根本的に違うので、金庫製造にもそれが反映されているのかと?思ってます。

ロックシステムは、電子制御が入りメカニカルな部分も含めて進歩していることは確かですが、問題は金庫の構造。 日本製の金庫は、相対的に見て外壁の金属部分が薄く、中が空洞になっていたりと造りが脆いです。アメリカ製、たぶんアメリカ製の金庫だったと思いますが、外壁の厚さは日本の金庫の3倍はあるし、金属の中はアグリゲート状態(ガラスの破片が複雑に金属と金属の間に層がある)になっているので、たとえドリルで穴を開けようとしても、ドリルの先端が壊れるような構造になっています。

それとサポート体制が著しく素晴らしいです。たぶん保険の関係だと思うのですが、例えば、3センチのドリルで穴を使うと、横の外壁に3センチの穴を開けることができるようになるまでは、2時間必要であるとか、工事用のバーナーを使って熱を入れて金庫に穴を開けることができるようになるまでは45分必要であるとか、金庫の購入前に上記のような記述明細があってそれを参考にセンサーや赤外線などの防犯装置を追加することで、センサーが侵入者を感知してから10分以内に警備員が駆けつければ、盗難は防げるという、おおよその目安が立つので、セキュリティ会社への契約をすることで、セキュリティシステムの構築が出来るようになっています。

それに加えて、購入した金庫の防犯履歴は、金庫製造会社から定期的に購入者へ報告があって、例えば、「20XX年X月、P州某所の金庫が、ドリルで開けられてしまったが、中の物を取ることができなかった。」などの情報が随時報告されています。

金庫には、ダイアル式の鍵と、デットロック式(鍵とノブが連携していない鍵構造)が通常付いているのですが、日本製の鍵は、普通の鍵の長さ、5センチ以内の物が多いのです。アメリカ製の鍵は、長さが20センチ以上もあって、中央部からシャフトの部分と鍵の部分で二分割に分離できる構造になっていて、機械式ロックシステムが金庫の奥深くで機能するようになっています。鍵の先端の部分だけでは、金庫を開けることができないのです。

ニューヨークのRさんが、新しいオフィスに引っ越した時に、1メートル四方の比較的小さなグレーの金庫がRさんの椅子の脇にあって、それが邪魔で、「これ欲しくないかぁ?」と言われたことがありました。なんでも新しいオフィスでは、金庫を置く場所がなかなか決まらなくてRさんの机の側に一時的に置くことになったのは良いのですが、自分の側にあるのが気に入らないのと思ったよりも使い勝手が悪かったそうで、「まだ、これ1年も使っていないし、最新の金庫だから、使わないか?」でもこんな重いものをニューヨークからわざわざ航空便で送ると送料が高額だし、はっきりした返事をしなかったんです。今になって、「あぁ貰っておけば良かったな」と思うことがあります。

テレビなので盗難などがあると、画像を通してだけですが現場観察を徹底的んするのですが、過去一番荒っぽい盗難の手口は、大型ブルドーザーを盗難して、金庫のある部屋の部分の建物を外部から壊して侵入、ブルドーザーで金庫ごとトラックに積んで、ブルドーザーをその場へ置き捨ててから、別の某所へ移動、それから誰もいないところでジャックハンマー(手持ち削岩機)を使ってドアの部分に数箇所穴を開けて中だけ盗むという、(この事件は、日本でありました。)トンデモナイ方法で金庫を開けました。さすがにジャックハンマーを使って金庫を開けることは、アメリカの業者も想定していないはずで、実際に実験でもしないとわかりませんが、たぶんアメリカ製の金庫でも穴が空くと思います。 まぁ、金庫が地下室や高層マンションのような建物では、ブルドーザーを使うことが不可能ですので、この方法は一階限定ということになるかもしれません。

以前、Mさんから聞いた話では、金庫の中にペットボトル入りに水を入れて置いた方が良いとのこと。家事の時には、内部も高温になっているので、水のボトルが破裂して、金庫内部の温度を下げるそうです。 そういえば近所で家事があった時に、屋上に桐の箪笥があって、これに消防団員のかけた水で、箪笥の中にあったものが燃えなかったことがありました。